太陽電池の設備コストは、世界中の電力需要の一部分の、二十年分の電力料金の先取りとして得られる。
トータルとしては、きわめて大きな設備投資金額が期待される。
しかも出所は個人個人の懐なので、典型的な川下産業である。
産業が末端消費者の懐から一○○万円以上のお金を引き出し、しかも多くの補助的な業者の手を経ることによって波及効果は広大である。
さらには、ソーラー発電の普及にともなって、蓄電池の普及にともなう低価格化により、電気自動車の実用化が見えてくる。
昼間電力を電気会社に売るよりも、自動車の蓄電池の充電にあてたほうが経済的になる。
腐れかかった戸板を補修するには相当お金を注ぎ込まねばならないが、蹴り飛ばすのは簡単である。
一兆円で軽く蹴るだけで、トータルで百兆円のマーケットが展望される。
景気浮揚のための財政投融資とは、こういう良環境を起こすきっかけをつくるために用いられなければ無意味であろう。
ソーラー発電に対する一兆円の有効波及倍率は、約一○○倍かそれ以上である。
ケインズ型財政政策は、こういうふうに行わなければ意味はない。
一方、現在の日本政府の道路整備や共同溝などの下水道工事に対して行われている公共工事の有効波及倍率は、一以下でしかない。
自律的に回転し出すポジティブフィー隙バックを期待するか、それともバックマージンを期待するかの違いである。
乱暴な話になるが、政府がいま百兆円のマーケットを展望してソーラーオンルーフ・プロジエクトに一兆円の財投を行い、もし良循環をうまく起こすことに成功したなら、政策だけで平成不況はあとかたもなく消え去るだろう度でしかない。
もし、ソーラー発電が一般の市場予測のように二○○○年に二○○億円の市場にとどまるなら、大変不幸なことであるといわざるを得ない。
四○億円の政府援助では、二○○○年に百兆円のマーケットを起こすことはとうてい期待できない。
一方では、日本では毎年五兆円近い電力設備投資が、既存のやり方での電源開発や、送電路維持のためにいたずらに費やされている。
それでも将来深刻な電力不足がくるだろうと、多分なプロパガンダも含めて声高に喧一伝されている。
電力ピーク時の電力不足の解消、ピーク時電力と閑散時電力の格差の縮小は、ソーラー発電の普及で相当な改善が期待される。
電源設備の集中投資における設備余剰と電力需要のむらに起因する、非効率的な設備投資の問題の緩和が期待される。
ソーラー発電の推進は、何よりも将来を見据えたエコロジー政策であり、エネルギー政策である。
しかも同時に世界戦略でもある。
すでに薄膜多結晶シリコン太陽電池や、CIS太陽電池では変換効率も一○%以上を実現している。
なかでも、□Iル状に大量生産のできるアモルファスシリコン太陽電池は次世代太陽電池の本命と目され、コスト面でも製造コストが現在の半分になりさえすれば、電気料金と均衡する水準までコストダウンしてきている。
コストから換算すると、十年ソーラー産業にシフトする半導体産業、自動車産業ハイブリッドソーラーカーソーラーカーは大方の期待とは異なり、日本の場合ハイブリッドカーになるだろう。
むしろ、ハイブリッドカーはソーラーカーものなのである。
中国の経済発展によってもたらされる環境問題、エネルギー問題のために、ハイブリッドソーラーカーの時代は予想外に早く訪れることになるだろう。
の減価償却期間を想定して、KW時あたり一八・五円の発電コストになる。
もちろん、インバータなどの設備コストも必要だが、現在の製造コストでもすでに実用域に入っていることがわかる。
エネルギー資源の「採掘」にいますぐとりかかるべきではないか?いまとりかからないこと、それが生産コストを高めている原因なのだから。
二十一世紀に向けてエネルギーコストが下落する心配は、もはやまったくいらないように思える。
もし、私がハイテク企業の半導体事業部の経営トップだったら、少しも迷わずに次期半導体の設備投資額として予定している数千億円の半分を、ルーフトップソーラー電池の生産プロセスに転用して注ぎ込むことにするだろう。
全部注ぎ込んだりしないのは、DRAMビジネスと太陽電池ビジネスは互いに相関係数がゼロかマイナスを示しそうなので、総合すれば良好な投資効果が得られる。
「うちは量産半導体でいく。
メモリもつくるが太陽電池もつくる。
うちは産業界の米をつくっている。
最近は、エネルギーもつくっている」ソーラーバッテリーの良循環がはじまれば、ソーラーカーは自然に道程に見えてくるだろう。
電気自動車は日本の場合、世界水準に比較して極端に高い電気料金のために現実的でない。
充電は簡単にすませられるものではない。
日本では電気自動車のための「充電スタン隙」はまったく普及しないだろう。
効率のよい三○馬力程度の小型エンジンとダイナモにより始動速度、登坂のためのバッテリーの充電が行われる。
天気のよい日には、太陽電池の稼ぐ電力は燃費改善のためと、青空駐車中のときのバッテリー充電に寄与する。
自動車産業の二十一世紀は、ハイブリッ障カーが未来を切り開くだろう。
駆動エネルギーとしてガソリン、ヂーゼル発電機、ソーラーオンルーフ、停車時の逆起電力、バッテリーパワー、燃料電池、家庭でのソーラーオンルーフによる余剰起電力による充電などを用いられることになる。
ハイブリッドカーは使い方によっては、極端に燃費のよい車になる。
もしハイブリッ陣カーを可能にする適当な産業政策がいま施行されるのなら、日本製のハイブリッ障力lは二十一世紀には世界を席巻することになるだろう。
ハイブリッドカーはスイス、信イッ、オーストリアをはじめとするヨーロッパ内陸部での先進国だけでなく、カリフォルニアなどの環境意識の高い地域や、とくに環境汚染の進む中国を中心とした東アジアの地域で受け入れられるだろう。
地域では環境規制が進むため、二十一世紀には既存の自動車では対応できなくなる。
駐車場規制は自動車産業を弱くしたが、七○年代の環境規制は日本の自動車産業が世界に通用する強さをもたらした。
日本で生産するように誘導する産業政策とは、駐車中の充電のためのモーター駆動のための法改正などの法制面での整備と、環境規制の法制面での一層の強化である。
環境規制の強化とともに、いま施行が必要とされるのは、不況下でのハイブリッドソーラーカー実現のための一兆円規模の財投計画である。
自動車企業のトップはもう少し二十一世紀のこととか、これから自動車を本当に必要としている人々のこととか、環境保全のこととか、自分の会社の未来のことを考えたほうがいい。
ハイブリッ倖ソーラーカー実現は、日本の自動車産業が二十一世紀に覇者であり続けるための唯一の条件である。
ソーラーカーや電気自動車はまったく現実的でない◎21世紀初頭には、CO2規制により、ハイブリッドソーラーカーがエコカーとして欧米先進国に普及することになる。
新たに台頭した情報家電という概念は、情報のもつ価値や意味を本質的に改める何らかの変革をもたらすだろう。
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